…温故知新…日々・徒然・処感・緒感…








静かに思へば、万に、過ぎにしかたの
恋しさのみぞせんかたなき。
人静まりて後、長き夜のすさびに、
何となき具足とりしたため、残し置かじと
思ふ反故など破り棄つる中に亡き人の手習ひ、
絵かきすさびたる、見出でたるこそ、たゞ、その折りの心地すれ。
このごろある人の文だに、久しくなりて
いかなる折、いつの年なりけんと思ふは、
あはれなるぞかし。
手馴れし具足なども、心もなくて、
変はらず、久しきいとかなし。
〔徒然草 第二十九段〕


“つれゞなるまゝに…”ですね(笑)
えるぜ





処感 2002年4月

*・・花粉症対策覚え書き ・・*

at 2002 04/02 07:50



花粉症に効果があるとされているもの


・甜茶 ・緑茶
・ヨーグルト
・人参ジュース(蜂蜜&レモン果汁入り)

※人参ジュースは手軽であるし栄養面でも
 良いので触手が動く優れもの。


今年の私の花粉症は例年になく酷かった。
薬を極力服用したくなかったので
朝から晩までクシャミと鼻水、目のカユミに
悩まされていた。

ここのところやっと症状が消えてくれたので
ホッとしている。

…ふぅ〜〜(+_+)






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*・・純文学作品「平成」を読んで ・・*

at 2002 04/05 14:26



なかなか言葉にして「平成」の読後感を纏めることが
できなかった私は、少し打ちのめされたような気持ちでこの
一ヶ月ほどを常よりも内省的な心情で過ごしていた。

作者である青山氏の真摯で誠実なサイト運営方針に魅了され
気が付けばこの作品の第一稿時からずっとその軌跡を
見守らせて戴いて来てこの春氏の宿願でもあった「文學界」への
掲載が無事に為され世に出てこられたのが3月7日(発売日)。
大きく表紙に氏のお名前と「平成」の文字が載っているのを
目にして目頭が熱くなり感激をしてしまった。
「実現がキーワード」という氏のログメッセージとリンクして
その実現がこの手にした本だと思えて貴重に感じられた。

冒頭の場面から映画を見るような映像的なシーンの連続で
圧倒された。白桔梗が花弁を閉じて描かれている絵を前にしての
会話の記述が禅問答を読んでいるようで強く印象に残った。
「花というものは、いつも開いてなくてもよい。そういう含意ですか」
「その方が静かかもしれませんね」
白桔梗は物語の終わりに近い部分で今度は開花して登場する。
「平成」のキーマンの一人である“ホリデイさん”の自宅玄関前で
さり気なく咲いていたのだ。

何気ない記述であるようで最初から最後の<了>に至るまで
一字一句作者の細やかな配慮と思いが繊細に篭められ
それでいて昭和から平成への大きな時代のうねりを個性的な
表現で描かれている気品ある作品である。

総研での超が付く多忙な仕事をこなしながら何度も何回も改稿を繰り返し練って(きっと膨大な量の原稿が惜しげもなく没にされていると思われる)
230枚の枠の中に収めた作品である事を承知していたので私としてはただ漫然と読むことはできないのである。
「平成」自体にもそういう迫力が静かではあるけれど柔和でも
あるけれどあるので私はいつもは
かなりの速読なのだけれど、「平成」に限ってはユックリと読まずにはいられなかった。

「天皇陛下のご病状報道」及び「ご崩御報道」当時を思い出しながら
読み進めた部分では多くの大人が感じた「自粛」への違和感やら
「過剰反応」やらそうであっても「厳粛な空気」が日本中を覆い自分もまた昭和が逝ってしまうその瞬間を目にして生きた証人の一人であるという妙な興奮も蘇って来たようであった。
その時人知れず水面下で報道関係者はギリギリの緊張感の中で
「Xデー」を追っておられていたのだなということが伝わり
他社との競争が日常の報道現場の様子やその取材風景・事情など政治部記者であったご経験が充分に活かされている。

問題が多い現代日本の病理である一種の狂気を描きつつ
それでもこの国を愛する気持ちに溢れている作品でもあって
何度も目を通しているのだがその都度新しい発見があり
再読をどうしても促されている日々である。
「なぜ本を出すか。一緒に考えたいから」という氏の
ログメッセージにあるようにもっと深く考えたいと思うからである。

人の立場はもう多種多様で事情も言い出したらきりがないのが
人間の営みである。それでも今、「平成」が発表された事は
一つの「希望」であると感じる。これからどう生きるのか、これからこの国は
どうしていったらいいのか、「人が生きる事」の根幹に触れるテーマに迫る作品の誕生は大きな「希望」であると言えよう。
そして日本を見据え考え描き続けるであろう一人の純文学作家の誕生に一読者として友人として立ち会えたことは私にとって大きな喜びである。


…世の動きはどうであれ私情におかまいなしに進み動く。
新しい首相官邸への引越しは4月中らしい。
また一つ時代の終了と出発がそこにあると思われる。





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*・・・想ふこと・・・*

at 2002 04/10 07:57


息を呑み込むように想いを呑み
胸の奥の奥の部屋へ静かにソッと置いては
また浮上する…

まるで潜水を繰り返しているような感もする

さしずめ潜水艇に乗って深海まで下降し
海溝の底にまで到達しそこで息を吐き出して
すべての想いをそこに置いて整理して…
それからまたユックリと浮上する…
そんな心境であろうか(苦笑)

言葉は言の葉 コトノハ
力になるし人を斬り付ける武器にもなる
取り扱いに充分配慮のいる伝達手段である

想うことは自由であるけれど
一旦 自分の外に出してしまったら
そこに責任がついてまわり時にはとんでもない
誤解を生んでしまう可能性も孕んでいるのだから
慎重にならざるを得ない

人は得てして勝手な存在である
自分の都合の良いように考える傾向を持っているのだ
誰でもこのことは承知して居るはず
それでも、それでも沈黙をしていてはちっとも
想いや思い 考えが伝わらないことも知っているので
ソッと言葉を選び発してみる…。

それでも本意が伝わらないという場合もあるけれど
無思慮にただ思い付いたことを発することは
極力避けたいと想ふ。
そんなことを考えながら此の頃過ごしている。

最近の“『ワイドショー内閣』詳報”を
耳にし、目にする都度…
深い溜息がでて来てしかたがない。
なんだか虚しさばかり感じてしまうのだ。

人が人を治めることの困難さ…
あ…これは聖書にも書いてあった通りだ…









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*・・・禍福は糾える縄の如し・・・*

at 2002 04/16 08:43



人の世の幸福・不幸は互いにより合わせた
縄のように転変するということ。

「禍福」は禍(わざわい)と幸福、
「糾える(あざなえる)」はより合わせるの意。

【出典】史記
【類似】塞翁が馬・沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり。

単純に生きられなくなるのはそれだけ
責任が増して来ているからだと思う。
自分一人ではなく家族の人数分だけ
喜怒哀楽が伴うのが家庭人の常。

TBSの長寿番組の一つに「渡る世間は鬼ばかり」
という辛口のホーム・ドラマがあるが、
最近では現実の生活の方がもっと厳しいような
気もしてくる。

「安定」とか「絶対」とかという幻想を持って
いてはやっていられないな…とつくづく思う。

長い年月を経て残ってきた言葉の羅列である
「ことわざ」は味わうほどに身に迫る重みが
あって苦笑とともに納得させられることが多い。

わははは


でも、良い事があった時くらいは手放しで
嬉しいやったぁ〜♪
と喜んでもいいよね..ってお気楽楽天家の
私などは何歳になっても単純に思っているのも
現実なので、戒めのようにキリリとした
言葉を今朝は書きとめて置きたかった。






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*・・・いとおしい・・・*

at 2002 04/17 07:32

<b>
優雅な身のこなしは天性の財産
つぶらな瞳と滑らかで柔らかい肢体

豊かな表情の変化と表現
気紛れなことは分かっているのに
それでも私を惹きつける存在

……。
気分が良い時には私をみつけると
何処からか飛んできてしきりに甘える。
身体をぶつけるようにこすり付け
目を細め長い魅力的な尻尾を立て
可愛い声で鳴く…。

急いでいてもつい私は彼女の頭を
撫でずにはいられない…。
いとおしい猫チャン…
あなたの引力に私は抵抗できない。







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*・・すなほなまま ・・*

at 2002 04/23 09:00



素直な気持ちであるがまま
何の偏見も先入観も持たずに
まるいものはまぁるく、
しかくいものはしかくく、
捉えたいね。

まず自分からそうしてみよう
その素直な気持ちはきっといつか伝わる。
そう思いたいじゃない。

時間は掛かるかもしれないけれど…
それでも諦めないでいたい。






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*・・・新緑の欅・・・*

at 2002 04/24 20:57



今年も新緑の季節が到来している。
ケヤキの若葉のあわあわとした黄緑色の小さな
葉の重なりが目に眩しくて気持ち良い。

ツヤツヤとした葉の勢いの良さに毎年の事ながら
励まされることしきりである。

今年も表参道のケヤキ並木に出掛けたいと
思う。

人の波が相変わらずあるだろうけれど
あの時のケヤキの輝きに逢いにまた出掛けたい。

できたら『プレー・バッハ』と云う
素晴らしいパブでまた寛いでみたいが
もうとっくにその店は消えてしまっていて
サンクスビルで残っているのは2階にある
『クレヨン・ハウス』だけだろうな…。

懐古趣味ではないけれど…
なつかしい場所…神宮前。






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*・・You are all my reasons ・・*

at 2002 04/26 08:10


※ノーベル賞経済学賞を受賞した
天才数学者ジョン・ナッシュ博士の伝記を
もとにして映画化しアカデミー賞作品賞を
受賞した。

ナッシュ博士のサイト



you are all my reasons

「you are all my reasons」→君が居て、僕が居る

「私の存在理由(レーゾンデートル)は妻だけです」

「君こそが僕の真理だ」

「君が僕の答えだ」

映画『ビューティフル・マインド』の中で
最も印象的な言葉である。

どのような和訳もピンとこない…

“you are all my reasons”

このままの方が私はいいなと思う。

事実は妻アリシアはジョンが発症してから
離婚したという。しかしジョンから
「助けて欲しい!」とSOSが出たので
再び彼の元へ行き支え続け(同棲をしていた)
再婚したのは遂最近であったとの話しも聞いた。

紆余屈折、色々あるのが人生である。
映画の中でも美化せずにこの点も描けていたら
もっとこの言葉の意味が深まるのになとも
感じられた。

精神分裂症を病みつつも志を捨てずに研究に
邁進し病と共存しつつ生きる人の輝き。

・…映画の内容は彼の人生のようにずっしりと重い。



<独創的な研究>

ナッシュ均衡=理論ではなく単なる解概念。
この解概念から非協力ゲーム理論が始まった。
ナッシュは非協力ゲーム理論という理論の創始者。

ナッシュは交渉理論という、これもまた
ゲーム理論で欠かすことのできない理論を
創始した(ナッシュ交渉解というのを
公理的に特徴付けることで)。
今は非協力ゲーム理論よりこちらの方が
論文が出ている。

協力ゲーム理論を非協力ゲーム理論に
埋め込み両者を接合しようという試みは
通称「ナッシュ・プログラム」と言われ、
この推進には1982年のルビンシュタイン
のエコノメトリカ論文まで待たなければ
ならなかったと云う。

ナッシュのゲーム理論の貢献は簡単に言うと以上。












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*・・・若葉寒の候・・・*

at 2002 04/28 22:40


先日から気温の変動が激しい。
昨日、今日辺りは『若葉寒』という表現が
ぴったりの陽気である。

若葉が美しく、サツキも綺麗に咲き揃い
もうすぐ5月というのに…。
花冷えならぬ若葉寒。

しかし、暑い日が続くよりはどちらかと云うと
これくらいの気温の方が私は好き。

ゆったりとした連休…。
昨夜は久し振りに家族四人揃って時間が
合わせることが叶ったので夕食を外で食す事に
した。近所にある手ごろな料亭で季節感を大切
にしたメニューが揃っていて気軽に
出掛けることが出来しかも美味なので
気に入っている店である。

昨夜は特に活きヤリイカのお造りが最高だった。
ゲソとミミはお好みで天麩羅や焼き物などに
アレンジしてくれるのでこれもまた楽しい。

食前酒(ワイン)が付いたので子供達も少々だけ
ご相伴を昨夜は許した。特に下の子がちょっと
嬉しそうにグラスを持って味見していた。
ちょっと口にしただけで「美味しい!」なんて
気取って云うのが面白くて爆笑してしまった。

色々な料理が彩り良く品良く盛られて
次々と運ばれてくるのでそれだけでも目に
美味しく楽しかった。
ゆっくりと食事を楽しみながらデザートは
一口サイズに可愛くつくられたババロア…。

大満足で歩きながら空を見上げたら…
美しい朧月夜…。
満月の豊かな月に春霞みがぼーっと掛かり
余計に月が大きく見えたように感じた。

夜の空気を深呼吸しながら家族で歩くのも
またノンビリとした気持ちで良いものだ。

連休はこんな感じで今年も近くで豊かに
楽しくノビノビとする予定。
探していた本が今日、丸善で探してやっと
やっと手に入れることができたのでホッとした。




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