冬はつとめて。
雪の降りたるはいふべきにもあらず、
霜のいとしろきも、またさらでもいと寒きに、
火などいそぎおこして、炭もてわたるもいとつきづきし。
昼になりて、ぬるくゆるびてもていけば、
火桶に火もしろき灰がちになりてわろし。
冬は早朝があはれふかい。
雪の降っているときの面白さはいうまでもない。
霜などがたいへん白く
またそうでなくても、
非常に寒い朝、
火などをいそいでおこして炭火を持ってゆくなど
冬の情感にぴったりである。
もっとも、昼になって、寒さが
やわらいでくると、
火鉢の火も白く、灰がちになっている
などと
いうのはつまらないけれど。
* 清少納言 枕草子冒頭より部分抜粋 *
2009年01月16日
*穏やかなテンポで歩き続けたい*
From★Eruze♬ Mint.mamu…★
|